悪心・嘔吐への対策が不十分な場合、患者の化学療法の継続が困難となります

日本がん治療学会のガイドラインでは悪心・嘔吐をその発現頻度によって4段階に分類しています。

発現頻度

悪心・嘔吐を増強させる因子としては、@化学療法による悪心・嘔吐の経験、A若年齢、B女性、C不安などが挙げられます。

発現時期によって、嘔吐は@抗がん剤投与から24時間までに生じる「急性嘔吐」、A投与24時間以降に生じ、数日間継続する「遅発性嘔吐」、B上位中枢である大脳皮質の影響を受けて発現する「予測性嘔吐」があります。

化学療法を受ける患者にとって悪心・嘔吐はこの上ない苦痛となります。対策が不十分な場合、化学療法の継続事態が困難となり、患者の予後を大きく左右することになりかねません。

リスク分類に応じた対策が必要となり、国内外のガイドラインではアプレピタント、5HT3拮抗薬、デキサメタゾンを予め抗がん剤に併用することが推奨されています。

制吐療法

悪心・嘔吐が出現した場合には、その回数、発症時期、便秘の有無、水分摂取状況、体重変動などのアセスメントを行います。中・高頻度で悪心・嘔吐が発現する抗がん剤においては上の図の対策を行なったうえでコントロールが十分でない場合には、ロラゼパムやH2ブロッカーまたはPPIの追加を検討することが日本がん治療学会ガイドラインにい置いて推奨されています。

薬物療法だけでなく環境整備や食事面にも配慮する必要があります。特に悪心・嘔吐は臭いで誘発されることもあるため、清潔かつ静かな環境を作るようにし、嘔吐した場合には速やかに始末するようにします。食事内容としては、果物やアイスクリームなどサッパリした冷たいもの、消化のよいものを患者に勧めるようにします。