神経障害の予防法は確立しておらず、症状が著しい場合には薬剤の減量・中止を検討します

抗がん剤の副作用として発現する神経障害は主に中枢神経障害と末梢神経障害の2つです。

神経の細胞単位であるニューロンは、神経細胞体と軸索からなりネットワークのやり取りをしていますが、神経障害はこの神経細胞体と軸索のどちらかが障害されると発生します。

中枢神経障害の発現頻度が高い抗がん剤は、イホスファミド、メトトレキサート、5-FU、シタラビンなどがあり、末梢神経障害や自律神経障害の発現頻度が高いものとしては、ビンクリスチン、オキサリプラチン、シスプラチン、ボルテゾミブなどが挙げられます。

中枢神経障害は発生時期など不明なものが多くなっています。メトトレキサートではの白質脳症の発症時期は、投与後1週から3年以上と広範囲に報告されています。小脳障害を主とする神経障害が起こる5-FUは、投与数日以内に出現することがあります。

現在のところ中枢神経障害に対して予防法は確立されていません。シタラビン大量療法では、50歳以上、累積投与量35,000mg/m2以上、短時間での投与、肝腎機能障害などのリスクファクターを考慮します。投与中に呂律が回らない、傾眠傾向、痙攣などの症状が起こる可能性を伝え、気がついた場合には、早期に申し出るように指導を行います。

末梢神経障害も同様に確立された予防法はありません。一般的に用量依存症に発言するため、患者のQOLを著しく低下する場合には、薬剤の減量・中止を検討します。