緩和ケアチームの薬剤師はオピオイドを使用する患者の支援等を行います

チーム医療における薬剤師の役割は、処方監査と情報提供を中心とした薬物療法の支援です。チーム医療とは、緩和ケアチームのような専門家チームだけでなく、プライマリ・チームにおける多職種協同による医療提供体制も指しています。

そのため、緩和ケアチームの薬剤師は外来化学療法室や病棟担当の薬剤師といったプライマリ・チームの薬剤師との役割分担に困惑するケースもしばしば見られます。

どちらのチームに属する薬剤師も薬学的視点から薬物療法の支援を行うという点では同じですが、緩和ケアチームの薬剤師は、薬物療法の支援により専門家チームとしてのアセスメント能力を向上させ、また緩和薬物療法に関する知識の普及・教育を意識して薬物療法を支援するコンサルタント的な役割を担うという点に大きな違いがあります。

チーム活動を行ううえで情報共有は欠かせません。チームとしての評価、方針を確認せずにメンバーが独自にプライマリ・チームや患者にかかわると、患者の苦痛が早期に緩和されないばかりかトラブルの原因にもなりかねません。

薬剤師の場合、担当医に処方内容に関する疑義照会を行ったところ、緩和ケアチームが提案した処方内容だった、という事例が考えられます。提案内容の相違により、緩和ケアチームとプライマリ・チームの信頼関係が崩れるリスクがあるため、単独でプライマリ・チームや患者にアプローチする際にはチームとしての評価、方針を確認しておく必要があります。

緩和ケアチームの薬剤師は、処方支援を行うという立場上、他のチーム医療者に比べて患者・家族を支援する機会が多くなっています。カルテやオーダー、医師や看護師などから得られた情報に加え、患者から直接得られた情報、臨床所見を総合して、薬学的視点から薬物療法の適切性を判断し処方提案することが大切です。

オピオイド(医療用麻薬)を導入する患者への処方支援において、緩和ケアチーム薬剤師は投与経路、オピオイドの種類、製剤、用法、投与量、レスキュー・ドーズの設定の有無、相互作用、服薬指導などに着目しなければなりません。

オピオイドの導入に際しては、患者・家族に対して@処方薬が医療用麻薬であること、A医療用麻薬への誤解や偏見、B痛みを緩和することの大切さ、C定時投与とレスキュー・ドーズの違い・使用法、D各製剤の特徴と使用上の注意、E副作用とその対策、などについて十分な説明を行う必要があります。

薬剤師の説明内容が充実していても、患者や家族が理解して日々の薬物療法に役立てなければ意味がありません。薬剤師は、患者や家族の理解度を確認し、一方的な説明に終始しないようにします。患者や家族が不安や疑問に思っていることを読み取った上で必要な情報を提供することも大切です。