口内炎はがん患者の摂食障害やコミュニケーション能力の低下などQOLの低下につながります

数ある抗がん剤の副作用のなかでも比較的高い頻度でみられるのが口内炎です。口内炎は摂食障害、睡眠障害、コミュニケーション能力の低下など患者のQOLに影響を及ぼします。

抗がん剤による口内炎の発生機序は、抗がん剤によって口腔内に発生したフリーラジカルにより粘膜組織が破壊され再選が阻害されることが原因とされています。

また、抗がん剤の投与によって好中球が減少し免疫機能が低下した結果、細菌・真菌等による感染を起こし二次的に口内炎が発生増す。

化学療法に使用した抗がん剤の種類や投与量、患者の状態によって差はあるものの、高頻度に口内炎を発現する抗がん剤としてはメトトレキサートや5-FUが知られています。また、シクロホスファミドやメルファランなどのアルキル化剤、ベロリムス、セツキシマブ、ラパチニブなどの分子標的薬も発現頻度が高くなっています。

口内炎の発生は、口腔粘膜上皮細胞の細胞周期と関連しており、化学療法を開始して5〜10日で出現します。口腔粘膜は7〜14日サイクルで再生しているため、粘膜障害が出現してから回復するまでには2〜3週間が必要です。

口内炎を予防するためには、ブラッシングや、起床時・毎食後・就寝時のうがいなどで口腔内を清潔に保つことが有効ですが、口内炎は発生前の自覚症状が乏しく、口腔ケアは患者が自律的に行うこともあり、徹底されにくいという課題があります。そのため看護師は、化学療法を開始する前に、患者に対して口腔ケアの重要性を十分説明する必要があるでしょう。