家族が心の準備を整え、患者との最後の時間を有意義に過ごせるような環境を整えます

看取りの時期は、患者とその家族にとって人生最後の非常に重要な時間です。患者がかけがえのない個人として、尊厳を保ちながら人生、他者との関係を完結できるように支援すること、そして家族が心の準備を整え、患者との最後の時間を有意義に過ごすことができるようにすることが、看取りケアの目的です。

がんは予後1ヶ月前までは比較的症状は安定していますが、予後が数週間となると様々な苦痛症状が発言し、患者の病態は日々変化します。さらに、予後2週間ころからは、日常生活動作(ADL)にも変化が見られます。

緩和ケア病棟の看護師は、患者の身体に起こりえる事態を予測的にアセスメントし、ケア計画を立案し、短期間で評価、修正することが求められます。

患者の状態にあった最適な医療を検討するためには、多職種医療チームで患者の予後予測をケアに活用し、治療およびケア目標を合意することが重要です。例えば、@高カロリー輸液の中止、患者の負担となりえる検査の是非、過不足のない治療の検討、A限られた時間の中で、患者・家族が希望する療養の場の実現可能性の検討、B身辺整理、遺産相談、友人との面会等、C家族の心の準備のサポート、などが挙げられます。

終末期のケアのポイントとしては、苦痛緩和を徹底的に行い、安全と安楽を保障することになります。ここでいう苦痛は主要な症状に限定されず、患者が対処を望んでいる症状全般をいい、薬物療法に頼らず、多職種チーム内でアイデアを出し合い、苦痛緩和の手段を創造して対応します。

また、患者・家族の感情に配慮しながら、今何が起きており、これからどのような変化が予測されるのか、そのためにどのような治療を行うのか、といった安心を保障しながら説明することが大切です。

終末期において、「可能な限り治療を受けたい」、あるいは「自然な形で過ごしたい」といった希望は患者によって大きく異なります。看護師はここの意思を尊重し、患者・家族が大切にしている思いや価値観を知り、その人らしい意思決定ができるように支援することが大切です。